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横山 賢治; 北田 孝典*
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(1), p.87 - 104, 2019/01
被引用回数:4 パーセンタイル:40.43(Nuclear Science & Technology)線形推定に関する新しい仮定を導入して、拡張炉定数調整法の定式化を行った。なお、拡張炉定数調整法は、設計対象炉心の核特性の分散を最小化することが可能な炉定数調整法である。この定式化は最小分散不偏推定に基づいており、正規分布の仮定を用いていない。この定式化において、拡張炉定数調整法は、調整後の炉定数セットとして無数の解を持つことが分かった。この定式化では、このすべての解を表現できる一般的な式を提示しており、そのうちの解として、従来のベイズの定理に基づいて導出された拡張炉定数調整法と等価な解を含んでいることを示した。更に、この特殊な解では、設計対象炉心の核特性の分散だけでなく、核データの分散も最小化していることを示した。一方で、今回導入した線形推定の仮定はカルマンフィルターと整合しており、同様の方法で、拡張バイアス因子法,従来炉定数調整法,回帰炉定数調整法についても定式化できることを示した。
横山 賢治
炉物理の研究(インターネット), (70), 12 Pages, 2018/04
2017年度の日本原子力学会論文賞の受賞記念寄稿として、受賞対象となった論文の内容を紹介する。研究の背景となった炉定数調整法と拡張バイアス因子法の関係から、新たに拡張炉定数調整法が開発された。拡張炉定数調整法が開発されたことによって、炉定数調整法と拡張バイアス因子法の関係は明らかになったが、拡張バイアス因子法と拡張炉定数調整法の導出では用いられている正規分布に関する仮定が異なるという課題が残った。この課題を解決したのが受賞対象となった論文の研究内容であり、この研究により、拡張炉定数調整法と拡張バイアス因子法の間には矛盾はなく、両者の理論統合に成功した。また、その後の研究成果として、炉定数調整法における正規分布の仮定の役割に関する議論から新たに開発された次元削減調整法の概要についても紹介する。
横山 賢治; 山本 章夫*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1622 - 1638, 2016/10
被引用回数:10 パーセンタイル:67.99(Nuclear Science & Technology)最小分散法に基づいて正規分布を仮定せずに、3種類の炉定数調整法の統一式を導出した。3つの調整法は、それぞれ、設計対象炉心核特性、調整後断面積セット、積分実験核特性の分散を最小にするものである。第1、第2の調整法は、それぞれ、ベイズの定理に基づき正規分布を仮定して導出された既存の拡張炉定数調整法、従来の炉定数調整法であることを導くとともに、異なる結果を与える場合も生じることが分かった。ただし、特定の条件や結果においては等価になる。第3の手法は新しい手法であり、他の手法との比較や統一式の対称性の観点から必要になる。本論文に示された導出手順は正規分布の仮定を必要としないことから、より高度な炉定数調整法の開発に応用できる可能性がある。
岩元 大樹; 西原 健司; 方野 量太*; 福島 昌宏; 辻本 和文
JAEA-Research 2014-033, 82 Pages, 2015/03
核変換物理実験施設(TEF-P)を用いた炉物理実験による鉛ビスマス冷却型加速器駆動核変換システム(ADS)の炉物理パラメータ(臨界性及び冷却材ボイド反応度)に対する核データに起因する不確かさの低減効果を、炉定数調整法に基づいて評価した。核データライブラリにはJENDL-4.0を使用し、TEF-Pで実施する実験には、ADS実機燃料を模擬したマイナーアクチノイド(MA)燃料(MA重量:約30kg)を装荷した体系及び装荷していない体系のそれぞれに対して臨界性、鉛ボイド反応度、反応率比、サンプル置換反応度、燃料置換反応度の5種類の実験を想定した。解析の結果、TEF-Pで想定する実験をすべて実施することで、ADSの炉物理パラメータに対する不確かさを、臨界性に対して1.0%から0.4%程度に、冷却材ボイド反応度に対して9.4%から4.2%程度に低減できることがわかった。また、ADS臨界性の不確かさ低減に対しては燃料置換反応度が効果的であり、冷却材ボイド反応度の不確かさ低減に対しては鉛ボイド反応度実験が効果的であることがわかった。これらの低減効果は、装荷するMA燃料の組成と物量に大きく依存するが、目的に応じた実験を実施して、これらのデータと既存の炉物理実験データベースを組み合わせることで、炉物理パラメータの不確かさを効率的に低減できることが明らかになった。
花木 洋*; 沢田 周作*; 三田 敏男*
PNC TJ9124 93-009, 334 Pages, 1993/03
FBRの実用化に向けて、大型炉炉心の核設計精度を向上させ、高性能な炉心をより合理的に設計できるようにすることは、重要な研究開発項目の一つである。これまでの研究では、ベイズの条件付確率推定法を基礎とする炉定数調整を実施することにより、JUPITER等の臨界実験の成果を最大限有効に反映した修正炉定数を開発し、大型炉炉心の核設計精度の大幅な向上が達成された。しかし大型炉の炉心設計において、反応率分布、制御棒価値等の核特性のみならず、燃焼反応度損失、増殖比といった燃焼特性の精度良い評価も重要である。そこで本研究では、「常陽」等の豊富な実機燃焼データを有効に活用して、燃焼核特性の設計予測精度を向上させることを目的として、燃焼特性の感度係数を解析するシステムを整備し、「常陽」燃焼データを用いた炉定数調整を実施して、燃焼核特性設計精度向上に対する効果を評価した。その成果は次の通りである。 1)FBR実機の燃焼特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備し、直接計算との比較によりシステムの妥当性を確認した。 2)燃焼特性を炉定数調整に適用しても、従来の核特性の設計精度にそれほど影響を与えることなく、燃焼核特性の設計精度を向上させることができることが明らかになった。
岩元 大樹; 西原 健司; 方野 量太*; 藤本 敦士*
no journal, ,
核変換物理実験施設(TEF-P)においてマイナーアクチノイド(MA)燃料を用いた炉物理実験を想定して、加速器駆動核変換システム(ADS)の炉物理パラメータの核データに起因する不確かさの低減効果を、炉定数調整法に基づいて評価した。実験には、臨界性、鉛ボイド反応度、MA反応率比、MAサンプル反応度、MA燃料置換反応度の5種類を想定した。一連の解析にはMARBLEを使用し、核データライブラリにはJENDL-4.0を用いた。解析の結果、ADS実機燃料を模擬したMA燃料を用いてTEF-Pで想定する実験をすべて実施することで、ADSの炉物理パラメータに対する不確かさを、臨界性に対して1.0%から0.4%程度に、冷却材ボイド反応度に対して9.4%から4.2%程度に低減できることがわかった。また、ADS臨界性の不確かさ低減に対しては燃料置換反応度が効果的であり、冷却材ボイド反応度の不確かさ低減に対しては鉛ボイド反応度実験が効果的であることがわかった。本研究で得られた知見をTEF-Pの炉物理実験計画に反映していくことで、ADSの炉物理パラメータの核データに起因する不確かさを効率的に低減することが可能である。
横山 賢治; 山本 章夫*
no journal, ,
最小分散不偏推定法に基づいて正規分布を仮定せずに、炉定数調整法の理論式を新たに導出した。分散の最小化対象として、設計対象炉心核特性、炉定数セット、積分実験核特性を設定し、3種類の理論式を導出した。それぞれ、最小分散不偏推定に基づく拡張炉定数調整法(EA)、従来炉定数調整法(CA)、回帰炉定数調整法(RA)と呼ぶ。この導出方法は正規分布を仮定する必要がないので、誤差の分布に関して別の仮定を導入した新しい炉定数調整法の開発等への応用が期待できる。
横山 賢治; 石川 眞
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ40(SG40)として実施された国際協力による核データ評価プロジェクト(CIELO)において、CIELO-2と呼ばれる核データ評価ライブラリが作成された。SG40と連携して作業を行っているWPECのSG39の活動の一環として、CIELO-2に炉定数調整法に適用した場合にどのような結果が得られるかを調査した。炉定数調整法の計算には、SG39の前身のSG33で整備された炉定数調整ベンチマーク問題に対して、SG39で新たに整備された積分実験データ(HCLWR-PROTEUS, SNEAK)を追加したデータセットを用いた。調整結果は概ね良好であることが確認された。ただし、CIELO-2のU-238の共分散データには、反応間に非常に強い相関があるため、U-238の核分裂中性子発生数(nu-bar)の調整結果に大きな影響が現れることが分かった。また、主要な感度を持つ核データが二つに限られる反応率比のような積分実験データに対しても、調整結果を核データ評価にフィードバックする際に問題となる相殺効果が現れることが分かった。
横山 賢治; 山本 章夫*; 北田 孝典*
no journal, ,
次元削減の概念を導入して炉定数調整法を新たに定式化した。この新しい炉定数調整法は、次元削減に用いる部分空間の選択に任意性がある。ここでは、3種類の部分空間を考えて検討を行った。数式を使った検討により、一つはベイズの定理に基づく従来の炉定数調整法と等価に、もう一つは最小分散不偏推定に基づく炉定数調整法と等価になることが分かった。また、数値計算により同様の確認を行った。以上のことから、既存の炉定数調整法を包括する、より一般的な定式化を得ることができたと言える。
横山 賢治; 北田 孝典*
no journal, ,
次元の拡大を許すような係数行列を採用した最小分散不偏線形推定を用いて、従来・拡張炉定数調整法の定式化を行うと、それぞれ、ベイズの定理に基づく従来・拡張炉定数調整法の式と完全に等価になる。この結果は、これまでに行ってきた拡張バイアス因子法と炉定数調整法の理論統合の完成を意味するものである。本稿では、この定式化による結果に基づいて各手法の定義を簡潔な数式で整理し、これまでに得られた結果を総括した。
横山 賢治
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ46(SG46)では、臨界実験等で得られる積分実験データの情報を核データライブラリの妥当性確認に効果的かつ効率的に利用する方法について検討している。臨界実験等で得られる積分実験データの情報を核データに反映するよく知られた方法として炉定数調整法がある。炉定数調整法は原子炉の設計において核データに起因する不確かさを低減する方法として用いられるが、同様の目的を持つ手法として一般化バイアス因子法や拡張バイアス因子法がある。SG46では、積分実験データの情報を核データライブラリの妥当性確認に利用する方法として、炉定数調整法だけでなく拡張バイアス因子法等の応用についても議論されている。著者は、拡張バイアス因子法と等価な炉定数調整法である拡張炉定数調整法を提案しており、拡張バイアス因子法や拡張炉定数調整法の導出の概要を説明し、これらの手法の等価性について紹介する。
横山 賢治
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ44(SG44)では、(1)核データ共分散の品質基準の作成、(2)二次中性子や角度分布等の新たな物理量に対する共分散データの収録方法、(3)共分散データの新しいデータ形式の定義等が議論されている。このうち、(1)に関連して、核データ評価において積分実験データを参考にした場合の共分散データ(相関係数)の評価方法が議論されている。SG44では、この相関係数を推定する方法を検討するために、炉定数調整法等のデータ同化手法で積分実験データを利用したときに生成される相関係数に関する数値計算ベンチマークが提案されている。このベンチマークの目的は、核データライブラリ, データ同化手法, 積分実験データ等に依らず、相関係数が一定になる可能性を探ることである。もし相関係数が一定になれば、この共分散データの評価方法を大幅に簡素化できる可能性がある。このベンチマークの提案を受けて、原子力機構が開発している汎用核データライブラリJENDL-4.0と高速炉用の積分実験データベースを用いて相関係数を計算した。この計算結果から、利用する積分実験データを変更すると相関係数は有意に変化することを確認した。